71rd Entrance Ceremony Speech第71回入学式 式辞
奥武蔵の山々からの風も柔らかさを増し、木々の緑が芽吹く、今日の佳き日に学校法人 山村学園 理事長 岡 實 様、同じく 山村学園 法人本部長 山村 正己 様のご臨席の下 令和三年度 学校法人 山村学園 山村国際高等学校 第71回入学式が挙行できますことは、教職員一同このうえない喜びであります。
ただ今、245名の皆さんに入学を許可いたしました。ご入学おめでとうございます。
また、今日という日を迎えられた新入生の皆さんは、勿論のこと、お子様を日々温かく見守り育んでこられました保護者の皆様の喜びも一入のことと心からお祝い申し上げます。誠におめでとうございます。
さて、本校は大正11年9月裁縫手芸伝習所として創設されて以来、様々な変遷を経て、令和4年に学校創立100周年を迎える名実とともに伝統と光輝ある高等学校として発展してまいりました。
この間、校訓である「質実・英知・愛敬」による素直な気持ちと感謝の気持ち、高い知性と優れた想像力、人を慈しみ尊敬する心をもった社会に貢献できる人間性豊かな生徒の育成に励んでまいりました。
そこで、新入生の皆さんは、本日から山村国際高等学校での生活を始めるにあたり、向こう3年間、心にとめておいて欲しいことについて、お話いたします。新入生の皆さんには「3つの心を」をもって山村国際高等学校の生活に臨んでください。
まずは、「自ら学ぶ心を持つこと」であります。
高校と義務教育の違いは、「自ら学ぶ意志を持った者だけが在籍を許される」ところにあります。高等学校では、小学校・中学校の義務教育以上に、学ぼうとする意志が求められます。学校は勉強する場です。その根本は授業です。そのため、日々の授業を大切にしてください。授業内容もより専門化してきます。授業を確実に理解するには、真剣に臨むことが不可欠です。
人間の身体は、毎日トレーニングすることによって、強靱な筋力や素早い動き、持久力などがついてきます。それと全く同様に「頭脳」についても、毎日の学習習慣が神経回路を複雑化させ柔軟な思考力や学力の向上に繋がるものです。
こうした、日々の努力が、一、二年後には大きな差となって表れてきます。
学び続ける努力こそ、その人の才能です。
「素質の差は小さく努力の差は大きい」ことを心に刻んでください。
二つ目は「感動する心」です。高校生活の中で数々の「学びや挑戦」を重ねることで、感動する心が培われます。
「学び」をとおして新しい発見や知る喜び、分かる喜び、真・善・美に触れる喜びを体験してください。
特に、部活動では、厳しい練習や不可能とも思えることに果敢に挑戦し、全国大会優勝やコンクール・コンテストでの上位入賞を目指し、その目標を達成することで、成就感・達成感・自己有用感に接し、心が打ち震えるような感動や喜び・感動に浸ってください。この感動する心をとおしてのみ本物の価値観や人生観が形成されるのです。
三つ目は、「思いやりの心を持つ」ことです。
論語第15編の中で、弟子の一人が孔子に次のような質問をしました。「生涯行うにふさわしいことは何ですか。」
それに対して、「如(思い遣り)である。」と孔子は答えました。また、郷土埼玉の偉人であり、近代実業界の祖とも仰がれている渋沢栄一翁は、論語を生涯の行動規範として実践した人であります。
その彼が最も大切にした言葉が「忠恕(真心と思い遣り)」であり、各種銀行や企業経営の根本に据えてきたと言われています。
心は、そのままでは見えませんが、心遣いや思い遣りとなれば見えます。
友に対する「思い遣りの心を持ちお互いを高めあう」そんな、気概が大切なのです。
次に、保護者の皆様にお願い申し上げます。
私たち教職員は、お預かりしたお子様の成長や夢の実現に向け全力で支援いたします。
また、後援会行事等をはじめ学校行事においてお気軽に学校へ足をお運びいただき、忌憚のないご意見をお寄せいただくなど、家庭と学校との連携を揺るぎないものとして参りたいと存じますので、特段のご協力をお願い申し上げます。
終わりに、入学された新入生の本校でのご活躍並びにご発展をご祈念申し上げ式辞といたします。
令和3年4月7日
学校法人山村学園 山村国際高等学校
校長 中山 達朗